LONG PARTY RECORDS

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【第10回 Kazma Kobayashi(Bearwear)編】LONG PARTY RECORDS 年末企画"2025年何聴いてた?"

2025年ももうすぐ終わり!
LONG PARTY RECORDSではお世話になってるバンドマン / 裏方さんに2025年リリースの作品で3枚ディグってもらいました!

第10回はKazma Kobayashi(Bearwear)!

❶ phritz/tai hirose「しりべつの冬景をたずねて」

「botanica」というジャンルを提唱し、世界的評価を受ける音楽プロデューサーphritzが、チューリッヒ保険会社へ提供した楽曲群をまとめたアンビエント作品。

その音は「雪が積もった田舎の冬」そのもの。
凍てつく空気、サクサクと鳴る足音、白い息。赤くなった頬や、ポケットの中でかじかむ指先。
別に田舎育ちじゃないのに、そんな情景が記憶の奥底に確かにあったような錯覚に包まれる。

外で聴くと、目に入る景色すべてが新海誠の映画の作画になったかのように映るほど。

日本でしか生まれ得ない音楽の極致。これを聴いてその情景を共有できる日本人であることを誇らしくすら思う。

今年は精神的に参ってしまう時期が多く、好きだったロックもヒップホップも聴けないほど気持ちが沈んでいたのだが、そんな中でも唯一このEPだけは何周でも聴けた。

❷ yosugala「ヨモスガラ3」

今年1年通して、お茶の間やSNSでは華やかなアイドルたちが次々と注目を集める中、まったく異なるベクトルで圧倒的な存在感を放ったのがこの4人組アイドル yosugala だった。
アニソンロックの系譜にあるパワフルな音圧と、櫻坂46などにも通底するダークで洗練された美学の融合。
『灼眼のシャナ』や『禁書目録シリーズ』の川田まみ的な、00年代〜10年代の「泣けるアニソンロック」を通過した人間には、全編通して刺さりまくるメロディの応酬。

聴いてると、架空のアニメのOP映像が脳内で流れ出し、敵も味方も総登場して駆け出すシーンが浮かぶほど主人公系オーラを纏う楽曲。

特筆すべきはJ-POPの醍醐味である「Cメロ」の構築美。
アルバム最後の楽曲 “prologue 2025”後半における、君島凪さんのソロパートから始まる畳み掛けるような展開は、文句なしに本年度のベストCメロ。ライブ映像を繰り返し観ながら、嗚咽をもらして泣いた。君島凪さんがとにかく可愛い。

❸ joji「PIXELATED KISSES」

Spotify月間リスナー2,000万人超。日本生まれで米国を拠点に活動するjoji。
「いま世界で最も聴かれている日本人アーティスト」として君臨しながら、日本国内での認知がいまだ追いついていない。

彼が4年の沈黙を破りドロップしたのは、スピーカーが壊れたかのように激しく歪む、強烈なショートチューン。
そのデジタル・ノイズの奥底には、かつての掲示板文化時代のネットミームの残り香と、SNS上でタイムラインを高速消費する現代の焦燥、その双方を経由した逃げ場のない「悲哀」と「絶望」が横たわっている。
深夜のインターネットの海で、あの海外のカエルのミームを見つめる瞬間の虚無感。ネットのおかげで遠くの人と繋がれる反面、今まで以上に人と距離を感じるような。現代を生きる私たちが抱える「孤独」や「鬱」を象徴する一曲です。

来年出るアルバムの先行配信シングルらしいのでアルバムもかなり楽しみ。

🎵「2025年これ聴いてた!」プレイリスト
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🗒️「2025年何聴いてた?」バックナンバー
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