平成という時代は、どの角度から見ても前衛的な時代だったなと平成2年生まれは思います。
と、この様に思い返させてくれるのはきっとkageoriが懐かしい匂いを詰め込んだ一枚を持ってきてくれたから。
音楽という俗物が他の芸術と少し違うものを設けているのは、それはきっと思いも感覚も、匂いも感触も思い出させてくれるからであると前置きさせてもらいます。
日本人だからこそ醸し出せる叙情感と、忘れたくも離し難い焦燥感がひしめき合うサウンドは、より深みを増した分より情景を浮かばせるモノへと進化した今作。
夏の終わりの夕方を思い出させる、あの何処か終わって欲しくない一瞬をより明確に切り取った様。
聞けば聞くほどに、こだわりの詰まったリフやサンプリングされた音が散りばめられた3曲は、冒頭でも触れた「前衛的な時代であった平成」を鮮明に描いた一枚です。
バブルが弾けて、90年代後半の日本アニメ全盛期を経た平成後期の夏休みってこんな感じだったよなあ。。。
ヨシダワタル(るん)
<収録曲>
1.サマー・シンドローム
2.故に、それでも。
3.イエスタデイ・ワンスモア